2011年 07月 26日
2011年 07月 22日
一部地域を除いてアナログテレビの終焉の日が近づいてきた。 正直な話、テレビ局の送出技術屋と事務屋は、アナログ放送とのサイマルが終われば、仕事が相当楽になる。 送出技術屋からすれば、まず面倒を見ないといけない送出機器と送信所がいきなり半分になる。まぁそれだけで単純計算メンテナンス費用が半分になる。(そううまくはいかないけど。) 特にアナログ放送の送出機器なんか、もう修理しようにも部品がなかったり、ひどいのはメーカーに保守を拒まれたのを騙し騙し使ったりしてたので、なんだかようやく肩の荷が下りた感じ。共食い整備とかもうそんな末期症状見たくない。 事務屋からしても、サイマル特有の面倒くささ、羅列してしまえば ・番組やCM契約、放送進行データ等の帯域管理 ・バンク登録の煩雑さ(2回やってた) ・マイクロ回線網の投入の煩雑さ(同じく2回)、料金問題(同じ番組をNとHで2つ貰う) ・緊急特番時のマスター作業が2倍(1セグ独立放送があるところは1.5倍) ・画角問題(16:9か4:3か、サイドカットかレターボックス化) ・確認書のデジ・アナ記載管理 このあたりがいきなり問題ごとなくなる。 まぁ、逆にこれまでよくがんばってきたと思うよな。 作業もなるべくサイマルですむようになっているとはいえ、3倍の放送(アナデジ1セグ)をアナログ時代と同じ人員か下手したら少ない人数でこなしてるんだもん。 もちろんしばらくは混乱が予想される。 仕事もだけど、視聴者対応の方も。 ただ、ここまできたらもうじたばたしてもどうしようもない。 粛々と罵声に耐えて精一杯謝りながら、デジタル化というお国の方針を心の中で呪うしかない。 ただ当初思っていたよりも酷い状況にはなっていないというのは、前の前のエントリの感想どおり。 まぁ、いまHUT(総視聴率)落ちてるんだけどとか、NHKちょう強いいいいとか、見ててTVつまんないとか、なんか個人取れてなくない?とか、色々先々の不安要因とか目先の困った話とかはあるんだけど、とりあえず皆様お疲れ様でした。 #
by soulwarden
| 2011-07-22 01:01
2011年 07月 07日
九州電力が、なんかものすごいしょっぱいやらせを関連会社にさせようとしてたのがニュースになってたけど、あれ?マスコミって電力会社から貰って真実を話さないんじゃなかったの?そんなメディア支配が成功した中で、応援のFAXを関連会社に送らせなきゃいけないのってなんでなの?とか「マスコミは金を貰って真実を話さないよ派」の人は疑問に思うべき。 つか、なんかやり方が慎ましいというか微笑ましいよなぁ。 #
by soulwarden
| 2011-07-07 23:24
2011年 06月 29日
2005年頃、このブログつけ始めた頃に僕が思っていたTV崩壊のシナリオはこうだった。 2011年7月の完全地デジ化の失敗によるHUTの大幅減少→それによる枠パンク→収容のための値上げ→ネット等の他媒体との価格競争力喪失→今のラジオみたいな感じに。 そして2008年くらいまではなんか、そんな感じがひしひししてた。 新しいサービスたる1セグも、独立編成に(なんかフリーダムな例の局以外)どこも手をつけずに、なんだか本当にサービスで終わり、データ放送もただのコストセンター。送出コストはアナデジで2倍になり、おいどうするんだよこのコストとか思ってる矢先に、字幕だの地震速報だの、金のかさむ話ばかりどんどん増えていき、そして相変わらず地デジの受信機の普及率は伸びなかったから。 普及率のグラフも年々更新されて高くなるに連れ、「HUT減少幅も現状の10%減くらいですむのかなぁ。それでも需給が完全に崩れるよなぁ」とか思っていた中、救世主のような「エコポイント」。正直、TV業界これでずいぶん救われていると思う。麻生さんありがとう! 現在の地デジ普及率は95%オーバー。7月まで買い替える予定の家庭をも組み込むと98%相当まで見えているので、まぁなんとか微減ですみそうな感じで落ち着きそう。 (ただアンテナ問題や実はアナログ見てました問題なんかの混乱は結構つかすごくありそう。) ただし、相変わらず地域差はある。 県内所得や県民年齢構成等に影響され、普及率が90%程度のエリアもまだまだあるのが現状。 そこは8月以降の視聴率が結構な惨事になる可能性あり。 ただ、それよりここにきて「地デジ化あんま関係なく全国的にHUT下がってないか問題」の方が目を引くようになってきている。 理由は以下じゃないかと思ってる。さきに言っておくと一般的な話なんで目新しさなんて何もないよ。 ・目先の制作費削減と、それでも要求される視聴率に、簡単に数字の取れるコンテンツを各局が揃えた結果ではないか? つまり、TVコンテンツ自体の多様性が失われたため、飽きられる時は一斉に飽きられる。 ・BS 地方局はわざわざ高い金を払って、自らのライバルを増やしましたねって話だよね。わかりやすくライバルじゃん。実際数字も上がるにつれ、CMの引き合い増えているっぽいから、市場の食いあいが始まりそう。いや始まってんのか。 ・他媒体にアイボール奪われた まぁ言うに及ばず。 HUT減少からはじまる崩壊シナリオは最初の行に書いたけど、要はこれに近いことが起こりはしないだろうかというのが懸念材料。 地震の影響の4-5月を除いて考えると、去年の10月以降、ただでさえCM枠が足りなくて各局ともヒイヒイ言ってる現状では、地デジによるHUT減少、番組がつまらんためのHUT減少、どちらかだけならジリジリと粘って耐えれそうな問題が2つ合わせると、ちょっときついかもしれないなぁと思っている。 普通、収容できなくなったら値上げって話になるが、単純な値上げは、媒体価値を高める要因であるものの、あんまり上げすぎると同業種他媒体との値段格差を生み出しちゃうので、媒体の魅力を毀損しかねない。(とはいえ2年前の効率までは戻すべきだろう。) 本来はHUTを回復させるのがスジ。 とはいえこのご時勢でHUT回復は結構な知恵を絞らなければいけないだろうなぁというのがつらいところ。 一番は、絞りに絞った制作費を戻すことだろ。どうせキー局が利益計上して仕舞という、空気読めていないお金だ。一連の制作費カットで要らない脂肪は落ちただろうから、必要とされる箇所に配分することは間違いじゃないと思う。 いまのHUT減少は、まだ誤差範囲。 でも、これから誤差範囲じゃすまなくなる可能性を存分に秘めている兆候でもある数字だ。 まだ踏みとどまれる。 魅力的な商品制作のために突っ込んだお金は、コストではなく投資だと考え方を変えて欲しいなぁ。 #
by soulwarden
| 2011-06-29 01:20
2011年 06月 15日
なんか、リアルであった人にあちこちで話してることなんだけど。 災害に対して強いといわれているテレビ・ラジオについて、この震災を受けて本当に災害に強かったのかどうか、検証する必要があるのではないかと感じている。 昔、マイクロ回線の光回線(ややこしいし矛盾しているけど一番わかりやすい言い方)が実は多重化されていなかった事件とかあったけど、通常のキー局→放送局→親局送信所→中継局 という一連の情報の流れの中で、災害に弱い箇所があるのではないかと思う。 それを洗い出していくべきではないか。 もちろん、NTT回線から先はよくわからん。一番怖いところはここだったりするが。ただ、高い金払って多重化を約束しているんだから、それは震災を受けて検証してもらおうよ。 それから自分たちの局で出来ること。 ・親局までの回線は多重化しているか。FPU使っている場合には同じ鉄塔にサブ立てたりしていないか。光だったら同じところ通したりしていないか。 ・親局自体はどの程度まで耐震化しているか。また津波は大丈夫か。特にラジオ。 ・(金銭的に)めまいがするような話なんだけど、親局の予備鉄塔って実は必要なんじゃね?これは耐震と言うか、テロや戦時用に。 ・つか、局舎そのものは平気なのか? ・無停電装置って水没したりしない? ・小さいサテ局の耐震化とかは無理だろうから、どの程度の地震でどの程度のサテ局を失うか、その際どう情報を届け対応するかのシュミレーション ・支社間や天カメのマイクロ回線の多重化・・・も無理だろうからバックアップ方法。 ・道路寸断の場合の放送網の応急方法。 ・SNGって、集中運用じゃなかったっけ?なにかあったら大丈夫なの? ・人の体制に問題あることは、各局絶対でてきてる反省点だろうから、じゃあ次はどうするか。人間側の多重化というか、有事体制の構築。糞の役にも立たなかったマニュアルは火にくべてしまえ。 まだまだでてくると思う。 今回、被災三県の放送局からの放送事務側の対応方法を共有し、各々の局に当てはめて、「もしも同じ規模が自分のエリアで起きたらどうなるだろうか」は、研究してバチは当たらないと思う。 もちろん、地上波というシステム自体は、BSに比べて非常に堅牢だ。 (BSなんざ、戦争が始まった瞬間に衛星破壊される可能性が高い。) 地方アンテナ放送網は有事に強いというのも、地方局がデジタル化で生き残った要因だとは思う。 だったら、報道だけが地方局の存在意義じゃないことを、本当に強いところを、見せてやりましょうや。 #
by soulwarden
| 2011-06-15 01:09
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