1 2011年 01月 14日
シベリア少女鉄道「永遠かもしれない」篠塚茜が可愛いすぎる件について シベリア少女鉄道「キミ☆コレ」篠塚茜がやっぱり可愛いすぎる件について さて全国5万人(このブログの検索ワードランキングよりざっくり試算)の篠塚茜ファンの皆様、シベリア少女鉄道スピリット「もう一度、この手に」今週末まで公演中ですよ! ということで先週末に東京まで見に行ってきた。 芝居というものは本質的に「お約束」の世界だ。舞台客席袖音楽照明衣装…一つ一つに芝居という虚構を保つためのお約束があり、そのルールに庇護された世界の下で演目を楽しむものだ本来は(例:死ぬ演技をした人は本当は生きてるけど、舞台上では死んでるものとして扱ってあげる。死人が暗転中に歩いてるのが見えてもそっとしてあげる)。つまり芝居はメタ視点を構造上含有している。 しかし、シベリア少女鉄道は軽々とそのお約束を突破し、そしてそのメタ視点を笑いのポイントに変えていく。前にも書いたけど。 そしてメタ視点というのは、「メタ視点のメタ視点のメタ視点…」と、上に上に延ばしていくことが可能だ。さながら「はてなブックマークブックマークブックマーク」のように。 ただし、概念では無限に広がるこの構造も、舞台上では限りがある。 客がついてこれるようなメタ視点を彼らは粗方打ち尽くしたんじゃないかと思ってた先週末までは。でもさらにその先があった…こんなのありかよ…ズルいよ土屋亮一あんた天才だよ…でもズルいよ… あと篠塚茜は相変わらず可愛いよ…ちょう可愛いよ… いや騙されたと思って芝居観に行って下さい。開始40分までは本当に騙されたと怒ると思います。そしてその後「あ、本当に騙された」と心地よくなり、誰かに喋りたくなると思います。 以下、ネタバレ含むので、これから芝居行かれる方はお控え下さい。 今回はオムニバス。シベリア少女鉄道の流儀と今回のルールを再演「How are you?」でお勉強。と同時に「この形式が続くのか」思わせる。 しかし「業×業」あたりで「あ、こりゃ今回コケたな。」と思った。役者は細かくトチるし、なんか噛み合ってないし、短篇故に脚本の爆発力も期待出来ない。形式一緒だし。その予感は、つり橋の双六あたりで濃厚になった。普通に面白くない…あと役者が見てられないくらい下手。 そして、そんな観客のフラストレーションが閾値を越える瞬間を測ってたかの如く天の声が響き渡り、メタ視点が提供されはじめる。そして、その瞬間にこれまでの芝居の意味が180度変わっていく。 さらにそこで提示される天の声の情報に明らかな嘘が含まれる。 しかし舞台上で起きていることは本当という、5分前に自分達が軽々と突破した「これはお芝居です」というお約束が舞い戻ってくる。目の前の役者がそれぞれの事情を抱えながらも芝居をする姿が、本来的な意味のお芝居。隙間を現実の個人属性(新人とか関西とか)が接着しているという、なんだか言葉で説明しても面白さなんてビタイチ伝わらなねー!今週末にでも芝居見に行け芝居。こんなところでネタバレ読んでなくてさ。 そしてシベリア少女鉄道はシベリア少女鉄道自体をメタ視点で包みこみ、超えていく。もしくはネタにしていく。 終わり間近で、みんなを元気にするためだけに、それだけで一本台本書けそうな大ネタを平然と使ってくる。正直、芝居としてはここで幕を引いても誰も文句を言わないし、むしろそれでも賞賛されるレベルの出来だ。過去のシベリア少女鉄道ならそうしたのかもしれない。 しかし、最後にもう一幕。そしてこのオオトリこそが、今回の芝居を「いつもながら良い出来のシベリア少女鉄道」から「シベリア少女鉄道の中でも今回は傑作」にまでクオリティを押し上げている。 芝居の面白さとしても、脚本構成にしても。 ナレーション開始以後、逆に取ってつけた感が出てしまった「How are you?」の存在や、つまらんもんをみせるためだけにわざとこけた「終わりの始まり」自体を伏線に使うという、なんだろう、この食材のうまみを骨まで余すところなく使う一流料理人のような感じ。 ただ、それだけに気になってしまうのが「次回公演、あるよね?」という点だ。 今回、シベリア少女鉄道の王道パターンすらメタ化してしまったから、なんか土屋主宰の中に変にやりきった感をもたれてでもしたら困る。僕はまだまだシベ少の芝居を見たいのだ。 しかしラスト、あんな素敵なドヤ顔集団、僕は他に見たことがないなぁ。 いいお芝居でした。次回公演、なるべく早めに期待。 ▲
by soulwarden
| 2011-01-14 00:31
2011年 01月 06日
バードカフェ社長の、仕事に対する態度が出たかのような舐めきった残飯おせちが話題になっている。 500家庭のお正月をぶち壊したとか、作る過程で衛生管理まったくなってないとか、社長自身が現場で詰め込みやってるのに何か思わなかったのかとか、クール配送じゃないとか、そもそも腐ってるんじゃないかとか、その分かりやす過ぎる駄目駄目さ加減に、まさにネットフルボッコ体制が敷かれた感じがある。もちろんネットだけじゃなく、テレビも取り上げたし消費者庁も公取も保健所も動いているという超重厚シフト。選手層の厚みがすごい。なんか早稲田陸上部並。 しかし、こんな騒動(その前は海老蔵とか)が起こるたびに毎回感じること。正直な話、どこに着地させる気なんだ?どうすれば満足するんだ?と。テレビにつけ、ネットにつけ。 今回の話は、 民事的には、購入者に返金して、五体投地でお詫びして、 衛生行政的には、保健所の立ち入り検査に従い、後は食中毒の届け出がないようにひたすら祈り、 消費者行政的には、消費者庁から不当表示の調査を受けて、 刑事的には、食品衛生法違反は適用難しいから多分なしで、 商売的には、本業のお客が少なくなって、あと取引先に干されて そういった、やってしまったことに対する社会的責任を粛々と果たしていくべきで、逆にいえばそれ以上に何をすればいいのかという話だ。 どこに落ち着けるかという着地地点を見いだせないで叩いても正直仕方ないわけで。たとえば会社でなら、後輩叱る時って怒るだけじゃなく「叱った後、どこに着地させてどの点を反省させ今後どのように改善させるか」まで考えて、それが伝わるように叱るじゃないか(そうだよね?)。 で、社会としての進歩とか改善とか考えると、ここでバードカフェ廃業に追い込んで終わり、今後忘れた頃にまたこのような阿呆業者が出てきますーじゃあダメで、今後同じことを繰り返させないシステムや社会構築しなくちゃ意味がない。それが出来るか出来ないかそもそも解は有るのか無いのかはとりあえず置いといて。(消費者庁辺りが解を無理やり求めた結果、それでまた規制が厳しくなって既存の優良プレイヤーも軒並み網かけられたりもしかねないという問題もあるが、これもとりあえず脇に置く。) こういう「出口が見えない」騒ぎになると、浅田養鶏のことを思いだす。 浅田養鶏は、鳥インフル感染を認識しながら届け出を怠り、家畜伝染病予防法に問われた。 テレビ含めたメディアはスクラム組んでバッシングを行った。そしてその追求を良しとするだけの”世間の空気”と視聴率と雑誌売上はあった。 で、ついに社長の親の会長夫妻が自殺。メディア追及は急速にしぼみ、言い知れぬ後味の悪さだけを残した。あの時僕は「もっと追及しろもっと叩け」と思っていた人、一人一人が殺したのだと、そう思った。だから僕もあの時あの老人二人を死に追いやった当事者だと思う。そう思ってたから。 じゃあ今回叩いてる人、バードカフェの阿呆社長が自殺したら満足なのか?廃業したら満足なのか?社長を辞めたら満足なのか続ければ満足なのか?反省の色が見えたら満足なのか?なんか消費者庁が規制かけたら満足なのか? 一体どこで満足するのか、どこに着地させるのか?まったく見えない。そりゃそうだろう。だって叩くこと自体がただの娯楽だから。相手はわかりやすい悪だ。叩く事に何の心理的なためらいもない。こうしてグルーポンおせち問題は娯楽の道具として消費され、誰かが何かを語れば「燃料」と喜ばれ、そして、飽きたら忘れられる。その後バードカフェがどうなろうと、おせち届いた人がどうなろうと、別段知ったこっちゃない。 ただただ弱い者達が夕暮れさらに弱いものを叩く。そりゃブルースも加速していくさ。 ワイドショーが、同じような話題を一斉に追いかけ、延々と取り上げ、そして一斉に忘れるという現象がある。海老蔵しかり不倫騒動しかり。その前は…何があったかなんて誰も覚えてもいない。あれはテレビの非常に嫌な面だと僕は思っている。内部でも苦々しく思っている人は多い。でも続いている。なぜか。あれ、視聴率が取れてしまうからだ。世間一般ではWikileaks問題なんかよりよっぽどリオン×海老蔵の方が数字取れてしまうのだ。で、民放は商売でやっている都合上、視聴率が取れる方に走ってしまう。(倫理と商売の優先順位という側面はあるけど、これも脇に置く。) だが、視聴者サイドから「見ない」という選択肢を突き付けることにより、アテにならないテレビ内部の自浄作用に依らずとも改善する余地はある。でも出来ない。だってみんな池に落ちた犬を安全圏から叩くの大好きだから。今回みたいな。そして毎分視聴率は正直にその欲望を数値化し、翌日からの番組方針に影響を与える。 つまり今のテレビは、叩きたいだけ叩きたいという願望の行き着いた先だ。違いはコメントスクラムがメディアスクラムに、匿名名無しがみのもんたに具現化されただけ。 おせちの件、正直擁護するところは何もないしその価値もない。さっきは後輩叱る時みたいにとか書いたけど、こんな後輩正直いらん。人事部に「何であいつ採ったか」と詰め寄るレベル。 でも。ただ。「死ねばいいのに。」までは絶対に思わない。つか彼が死んでも特段いいことなんか何もない。(あれば死んでいいんかいってのは言わないお約束。) だったら、どこかで矛先を収め、着地点を探すべきだとは思う。 劣化したワイドショーにならないために。 ▲
by soulwarden
| 2011-01-06 23:45
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