2009年 07月 07日
表題は2011年までにもう間もないのにテレビ買い替えが進んでいないとかじゃなくて、それとは別の話。 しばらく考えていて、まだ自分の中で結論とか全然見えていないんだけど、 日本の広告費が5兆円とまぁ小さい市場になってしまった責任というのは、テレビにあったのではなかろうか。 ・・・というか、テレビのデジタル化をもう20年、せめてもう10年早く行えていたら、web含めた広告市況も随分と違ってただろうなって思ってる。 もう15~20年も前、「テレビの営業は断ることだ」といわれていた時代があった・・・らしい。今となっては想像もつかないけど。スポット枠は常に引き合いでパンパン。というかオーバーフロー状態。(で、FBSとかがゴニョゴニョ・・・)コストが高い出稿からとっていけばそれでよかったという時代。 で、その時に、テレビの営業は何をやっていたか。 各スポンサーを毎年1%とか値上げ交渉して、毎年ちょっとずつ売上を伸ばすのを楽しみにしてた。 まぁその頃ってテレビ局黒字で、これ以上経費の使い道がないという、物凄い幸せな時代。で金が余ってて(地場の公共企業だから投資や投資、別事業進出が不可能)、世間のバブル浮かれにあわせて給料ガンガン上げてた。(この頃のイメージが多分に世間様のテレビ局員のイメージとなっている。夙川アトム的な。) で、そんな能天気な時代はとっくに終わり、他媒体もたくさんでき、広告費が分散し、お国からデジタル化を無理矢理押し付けられ巨額の設備投資を抱えた瞬間に景気が悪くなり、さらに字幕放送とか地震速報とかで追加出費させられ、あげく地方局技術的にはいらないんじゃね?とか言われ、しかもちょっぴり事実で、関係ないB-CASとかで利権とか何故か叩かれ、自分ところの番組はyoutubeとかにアップされて自社媒体と競合し、スポンサーは市況に物言わせコストカットに出るという、テレビ局涙目の状態に陥っている。 そんな中、今、テレビ局の営業(と代理店の営業)はあの手この手で企画を作っている。 この市況では、ないお金をつくるか奪ってくるしか増収はありえないから。 いまテレビ見てたら生コマや番組内取り上げ(シルシルみたいな)、映画タイアップCM、番組連動CM・・・と単純なスポットとの差別化商品がオンパレード。それが良いものかどうかは知らないけど、頑張っている感はある。 で、今回思ったこと。 何故15年前に同じように頑張ることが出来なかったのか。 あの頃、1%とか3%とか頑張って値上げしてたその労力で、今テレビで見てる生コマその他の企画を持ち込んで差別化で値上げすればよかったんじゃないかと。少なくとも、かかっている労力の割りに数字がついてこないという現状よりは適正な料金化が可能な市況だったはずだ。 じゃあ何故その頃出来なかったのか。理由はおそらくはっきりしていて、テレビ局が儲けすぎて金が余ってたからだ。 前年度を酷く割るとか大赤字になるとか、そんな苦労無しで会社が成り立っているし、そんなに稼いでも使い道もなかったから。人間、別に汗かく必要がなければ汗はかかないわな。 で、表題。 だからバブルの頃に地上デジタルがスタートしてればと思うのだ。その頃に地上デジタル化を推進していれば、ちゃんと良好な環境で投資できたし、価値の高い広告作ろうとしてもっと広告も多様になっていたし、広告費というものも適正に値付け出来たのではと思う。平成新局もデジタル放送からスタートできるしね。 家庭部門も金持っている頃だから受像機ももっと円滑に移行出来ただろうし。 広告費市場は大体5兆円(今年はどうなるか分からないが)。GDPの1%とか言われる。 15年前にそうやってちゃんとテレビ局が頑張れば、アメリカのGDP3%には及ばないものの、1%枠は取りさらうことが出来たのだと思う。 そしたら、現在の市況も、環境も変わってたんだろうなぁと思う。 そう考えれば、NHKのハイビジョンが規格競争負けしたのってでかかったんだなぁ。。。
by soulwarden
| 2009-07-07 02:30
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