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ニセモノの良心

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2019年 08月 04日

あいちトリエンナーレの顛末について

書こうと思っていたが、開幕3日でへたった。

作品展示者としては良かったんじゃないのかなぁ。「表現の自由」に対して行政が口をはさんで表現の不自由となる。
事前の作品意図は達成できたでしょうから、大成功でしょ。



ただしそうもいかないのが、その作品展示者の小さな勝利に対して、表現の自由が失ったものの大きさ。
これは深刻に憂慮すべきことになる。


論点がたくさんあるから、それぞれについて分ける。
A,表現の自由なのか、ただの体制批判なのか
B,表現の自由は、他の人の自由や権利と競合するけどその人権については考えたのか。
C,殴るものの大きさについての体制の不備
D,税金でやる展示なのか
E,SNS拡散禁止及び炎上商法




A,表現の自由なのか、ただの体制批判なのか

中身見に行っていないけど、現場レポはこちらに。(この方の文章面白かったし、これ読んだら、ほぼ僕の書くことないなと思ったw)
抜粋
>映像を見終わって奥に進むと、反米、反基地、反ヘイト、憲法9条、慰安婦のおばあさんの写真、慰安婦像、裁判になってる群馬県朝鮮人強制連行追悼碑のオブジェなどがズラリ。一番スペースを使っているのが朝鮮人強制連行追悼碑で、次が慰安婦関連。
「あっ…そういう人たちのアレなんだ…」


表現の不自由展で、主催意図が「組織的検閲や忖度によって表現の機会を奪われてしまった作品を集め、いかにして排除されたのか展示不許可になった理由とともに展示すること」
であるのに、内容が、「そういう人のアレ」に偏っている。
悪魔の詩も、鍵十字も、ホロコーストないって書いて廃刊したマルコポーロも、天安門事件報道も、習近平のプーさんも、チビクロサンボも、RADのHINOMARUも、共産党の外部組織が最近潰した「はたらくくるま」も、ろくでなし子も、のうりんのポスターも、カーリー・クロスに着物着せたら謝罪に追い込まれた「VOGUE」もない。何もない。
少女像はあってもライダイハン像はないのだ。

あれ?それで、表現の不自由?

つまり、主催意図通りの展示ができていない。もしくは、主催意図とは異なったメッセージがある。そしたら当然だけど主催意図はそのまま伝わらない。





B,表現の自由は、他の人の自由や権利と競合するけどその人権については考えたのか。

 分かりやすいところでいうと、写真焼かれた昭和天皇のご遺族のお気持ちは?
 内なる精神の自由を外に発露した場合、他人の人権と競合することがある。
そこで「公共の福利」という物差しで「調整」が働く。

この「調整」こそが、実は「忖度」とか「表現し辛さ」の正体なので、全部取っ払ってしまうというのは(芸術の名のもとに)ありだと思う。
というか、今回やりたかったのはそれという話もある。(できてないので推測やね)
ただし、その場合には、殴られる側に十分なフォローが必要になる。で、あった?



C,殴るものの大きさについての体制の不備

お題目は「表現の自由」であり、そこに(Bとも被るけど)怒り出す人が十分いることも分かっているのに、それに対する体制(警備体制やクレーム受ける体制など)が甘い。どういった計画たてていたの?
脅迫があることなんて、当然のことながらわかってるでしょ。
やろうとしていることが「表現の自由」で、そして、脅迫ごときでそれが折れるのは精神の死である。
少数の者からガソリン持っていく言われたくらいで折れるなよ。
というか、(Aに被るけど)ちゃんと「表現の自由」のラインナップでやっていたら、同じような展示でも実はそこまで抗議来なかったのが、
「そういう人のアレ」に完璧に寄せちゃったから、抗議の質も変わったように思える。

少数のキチガイの抗議で取っ払っていいようなお題目じゃないのに、それを不用意にぶちあげた(もしくは騙った)挙句、3日で旗を降ろしてしまった。





D,税金でやる展示なのか
 今回の展示責任者は誰や・・・と考えると、愛知県である。(元々は県知事の公約で始まっている)
「表現の自由」のお題目の前に、「表現の不自由展」は愛知県が本当にやりたかった展示なのかというのがあげられる。
愛知県に事前了解取らず不意打ちの形で展示したのなら、それは県からしても「それはやりたかったことではない」とクライアントとして訂正入れる権利がある。
それは表現の自由ではなく、下請けと元請けの関係になる。

もしも県が「自由にやっていいよ」としたら、責任者は大義のために生きればいいと思う。



E,SNS拡散禁止及び炎上商法
おそらく炎上はあるわかっていたはず。
で、ある程度コントロールしようとしてSNSアップ禁止にしたんだろうけど、この警告文、ひどいなw

「著作権法に触れる可能性があります」を理由にすると、引用要件か報道要件か、そういった例外要件を揃えたらSNSアップは問題ないはずだ。
それを一律の禁止にするというのは、著作権法を武器に脅そうとする意図がある。
それに、「表現の自由どこに行った」って余計な炎上をする。
SNSでの炎上コントロールなんてプロフェッショナルついていながら、何やってるの。
炎上なんてコントロールできないし、短期的には耳目を集めるものの、長期的視点では、大会ブランドの棄損という致命傷から始まり次期開催への影響まで、
ほんと、ろくなもんじゃなくなる。





このあたりの視点が全部ごちゃごちゃになって、右も左もどったんばったん大騒ぎである。


僕としては、慰安婦少女像でもなんでも置けばいいと思う。表現の自由だから。
それが、行政の判断で中止となったことは残念でならないしし、行政に脅迫を行った奴はガソリン自分で被って死ねといいたい。




ただし、「そういう人のアレ」としか、現状表現できないものを持って「表現の不自由」を語らせようとしたその稚拙さ、
そしてその稚拙さと体制の不備が、結果的に「表現の自由」を後退させることになったことには、危機感を持っている。

政治的に気に入らない言動は、圧力かけて潰していい。
そんな(一部フェミニストや共産党の)作法は、表現の自由からすれば、最も唾棄するべきものであるからだ。






あと、これに乗じて表現の自由を守るべきだってキャンペーン始めた共産党は、
直前に自分たちがやった「はたらくくるま絶版」について、どう思ってるのか問い詰めたい。(多分別団体と言い逃れるんだけどさ、そのあたりほんと嫌い。)


by soulwarden | 2019-08-04 00:59


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