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2005年 11月 23日
大前研一が、日経やら自分のメルマガやらで、ここ2・3回「今更テレビ局を買うなんて楽天はセンス悪い」って叫んでる。 なんか書こうと思っていたけど、切込隊長が書いてたので、なんかもうそれでいいやって気分。というか全面同意。 大前さんも、世の中が違って見えたら、自分のほうが違っていることを疑わなきゃ。 ちょっと話が飛ぶ。 コンテンツホルダーとしてテレビ局を見ると、そこは実は空っぽである。 コンテンツ業にいる人は、現行の著作権縛りがいかに面倒くさいか知っている。 まず、著作権は、実際制作のための予算配分業務を行ったところにあるので、制作会社にあることが多い(ただし、窓口権はテレビ局が押さえている)。 実際に著作権を持っているコンテンツでも、放送以外目的のためには音楽や実演家なんかに残ってる著作権を処理しなければいけない。 例えばJASRACとかとテレビ局は「放送用に使う限り」の包括協定を結んでいるので、実際の放送に関して音楽1曲1曲に対して個別に許諾は不要である。(その代わり年間かなりの額は払わなきゃいけない。というか、そんな協定結んでJASRACは内部でどのようにお金を配分してるんだろう?普通に分からない。分かるのはJASRACのビルがやたら大きくて綺麗なことだけだ。) ただし、ネット配信となると包括協定外の使用になるので、放送に使った音楽を全てピックアップして、それぞれ作詞家・作曲家・演奏家から許諾を得なければならない(実際にはJASRAC相手になるけど)。 同じ作業を、原作・脚本・俳優・監督・CG・・・関わった人間の大体全てに行い、そして利益配分をしなければならない。 ・・・正直、これはどうしようもなくめんどくさい作業だ。行方不明な人とかいる場合もあるので、正直不可能という言葉も浮かんでくる。例えば俳優一人だけがゴネ得を狙って拒否する場合もあるし。(そうすると全体が使用できなくなるので、金額上積みするしかない) そんな訳で、正直テレビ局はコンテンツホルダーとしての魅力はあまりない。 じゃあ、楽天はテレビ局のどこに魅力を感じているのか? 考えられるものは3つ。 ・コンテンツ流通業を抑える魅力 ・赤坂の土地 ・ブランド テレビのコンテンツ流通業者はいままで5つしかなかったので情報のボトルネックを抑える結果になっていた。免許事業万歳。今でこそネットによって別情報ルートも構築されつつあるけれど、比重としてはやはりテレビはでかい。 世帯総視聴率(HUT)の下落傾向は今のところないし。年寄りというか全属性向けのメディアパワーとしては未だ高いし、今後10年くらい(ある程度世代交代が進むまでは)は力も保障されている。・・・食っていけるかどうかはわからないけど。 あかさかのとちのはなしとかはよくわからないからおいといて。 ブランド。これも間違いなく大きい。テレビで流しているだけで、一定層からは無条件の信頼を付される。前も書いたけど、アイフルやアコムなんかの消費者金融って「サラ金」以外の何者でもないのに、それなりの信用度を確立してしまったのはテレビの力だ(テレビ局は恥を知れ。っと。)。他にも健康食品・宗教・パチンコ・・・例を挙げたらきりがない。 要は「テレビでやってたから間違いない」とみのもんた世代が思い込むその信頼力がブランドなのだ。これが金で買えるものなら安いものだ。 楽天は世間的には今のとこ「よくわからんけどネットで商店街つくって儲けた会社でプロ野球チームが弱い。」としか認知されてなくて、プロ野球球団を上回る全属性に対してのブランドが欲しかった。しかも、継続的な源泉あるブランドが。 その意味ではテレビ局を抑えるのは、楽天にとって当然の選択だったと思う。しかもTBS無防備だったし。 楽天の選択は、別に大前さんが言うような時代遅れじゃないと思う。 大前さんにとってはネットがテレビに置き換わることを想定してるんだろうけどさ、じゃあテレビ媒体を「無線で一律に同じデータを1億台の受像機に送信することができる回線」と定義すれば、ネット帯域換算で何ギガくらいか?そう考えてみるといい。そしてそれだけの帯域を果たしてネットが収容できるか?これからHD(ハイビジョン)化が進むし。 デジタル化という変革期。まだテレビには商売の芽が転がっている。 データ放送、1セグ放送、SI/EPG、まだら放送、それを使っての儲け方はテレビ局の人間では(凝り固まっているので)考えつかないけど、他業種の楽天なら何か考え付くかも。 だから提携の話、どう転がるか分からないけど、TBSにとってもいい話だと思うんだけどなぁ。
by soulwarden
| 2005-11-23 15:11
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