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2009年 12月 28日 ( 1 )


2009年 12月 28日

ネット選挙の課題

twitterで鳩山首相の偽物が遊んでたんだってね。クリスマスに暇だからというだけの理由で。

あほくさとか、ネタとして普通につまらんとかは思えども、twitterがキャズム(笑)を超えるにつれ、まぁ今後こんなことが山ほど起きてくるのだろう。むしろ早めに大きな事象が起きてくれて良かったのではとも思う。
・・・早めって言うのは、選挙運動をネット上でもできるようにとの話が具体化する前のタイミングってことね。

現在の公職選挙法では、twitter・ブログ・メルマガ等々ネットを選挙運動(政治活動とは異なることに注意)には利用できないことになっている。
これらのネット上の活動は選挙期間中は公職選挙法上の「文書図画(とが)の頒布」にあたると総務省が解釈しており(まだ司法の見解はないはず。)、また文書図画の頒布の脱法行為禁止の条文もあるため、どっかの優生学市長くらいの厚顔じゃないと更新なんてできない状態におかれている。

僕は前にもちらっと書いたけど、選挙運動にネットが利用できることには否定的だ。反対というか、このままだとロクなことにはならん。

その理由を挙げてみる。

・今回の騒動のように偽物が出てくる
本人確認をどうするかというのが大きな課題。
とはいえ、この問題は本人だけに限らない。連座制対象者(親戚とか後援会管理者)のブログになりすまして「票買います」って告知した場合にはどうなる?もしくはなりすましたふりをして本人だった場合には?
司法判断ではなんともないようなこの事象も、ネット特有の「炎上」とセットで考えた場合、あまりおもしろくない事態になりそう。・・・あと、外国サーバーから「票買います」ってやった場合、日本の法律で取り締まれるのかな?(票買いますなんて阿呆みたいな違反はないとは思うけど、まぁ違反の典型としてね。)


・炎上
ネットは即応性が高いと思われている。実際には人の問題が出るのでただの幻想だけど。だからどっかの電波学者が半日レスがないから勝利宣言したみたいに、時間を持て余しネットに張り付いているものの方がなんか強い。(これを無双状態と呼ぶことにする。)では無双状態の人間が100人いたらどうなるか?
…つまり、暇だけは大量に有する者が、気に入らない候補を圧倒的な書き込み量で押し流してしまう事態が考えられる。いわゆるサイバーカスケードだ。そして無双状態の人間を100人用意することって実はとっても簡単だ。(煽ればゾンビのように涌き出てくるし、最悪、雇ってしまっても1日たった100万円ですんじゃう。コメント欄に悪口を書くだけの簡単なお仕事です。)
これは国内におけるサイバーカスケードに限らない。例えば国外に無双状態の人間が1000人いたらどうなるか?F5を擦り切れんばかりに連打することでサーバーダウンだって可能だ。
あとはハッキング。改竄の内容によっては、政治生命に致命傷を与えることだって簡単だ。
ネットに移ったばっかりに、言論に対しての国内外のテロ活動が、簡単にできてしまうのである。


・消せる。
紙で残るものならまだしも、消したり足したりできるネットにおいて、政治主張のブレが出ないかと言うこと。
たとえば鳩山首相がブログやっていたら、基地問題について自分でwiki並に編集合戦しているだろうね。
・・・ま、首相ならだれかが保存しているかもしれないけど、市町村レベルの議員さんならばどうだろう?


・他の人も規制してしまう。
問題:次のうち、選挙当日にしてはいけないことをすべてあげよ。
1、投票に行こうよ。私が車で迎えに行くよ?と誘いかける行為。
2、選挙は誰々に投票してねという、最後の電話お願い。
3、投票所近くに看板を掲示する行為。
4、手が震えて字が書けないおじいちゃんの投票用紙の代筆をする行為。

・・・選挙に携わったことがある人なら誰でも答えられるこんな程度の問題も、実はネットでは知らない人が多い。(ちなみに1はOK、2と3は当日はNG、4は投票所の係員の代筆ならOK)

選挙運動中、被選挙人は、基本的人権の一部である「言論・集会の自由」をある程度制限される。(精神の自由に規制はかけられないという大原則があるとはいえ)競争にルールを設けること自体は仕方のないことと僕は思う。
もちろん規制されるのは、被選挙人だけではない。後援会をはじめとする世話人等、選挙運動に携わる者は一定の制約を受ける。
では、選挙当日に何も知らずに「誰々に1票お願いします。最後のお願いです。」とつい、ネットで呟いちゃった人がいたらどうなるだろう?(これまでは電話とか個人個人の会話だから表に出辛かったところだ)
投票依頼は選挙運動以外の何者でもないため、例え後援会なんかの応援組織に所属していなくても「勝手連」として扱われ、間違いなく法に触れる。
つまり、いまみんなが好き勝手にブログやtwitterでつぶやいていることが、そのまま規制対象になる。


・年賀状出せる?
例えば、議員や候補者は法により年賀状を送ってはいけないことになっている。
だったら、Twitterやブログ等の「あけおめ」とつぶやくことも禁止にするか、もしくはリアル側の規制を解除し年賀状を出せるようにしないと釣り合いが取れない。(でもこれ、事前運動につながるんだよね。)
ネットを解禁するならば、同時にリアルとの整合性を図るべきだろう。


・みんなが見れる訳じゃない
よくプル型プッシュ型と情報を区分けするけど、ネットの情報は明らかにプル型だ。自分が検索しないと、情報は自然には入ってこない。
つまりネットに疎い人やそもそも政治にあまり興味のない人には、ネットの上の情報なんかあってもなくても一緒だ。
よく自らを「情報強者」と思い込んでる人が「ネット上にないものは存在しないのと同じ」みたいなことをぬかすが、これと正反対のことが起きるのだ。
それらの人へは従来の選挙活動でアプローチするしかない。ということはこれまでの活動は手を抜けないので…ネットの分だけ余計な経費がかかることになる。
ポスター等と同じく選挙管理委員会からの支出(つまり税金。供託金没収規定の意義はここにある。)で賄って貰えればいいけど、そうでなければ、立候補者の敷居があがる。



まぁいろいろ問題点を挙げては見たが、逆に言うと、これらがちゃんと解決されるのならば、ネット選挙は全く支障がないと思う。
ネットというものがリアルにどんどん近づいているという現状、いつまでもこのままで・・・とはいかないはずだ。




ただ、何も考えずに「ネット選挙解禁!」とわめく人は、あまりに想像力がないと思う。
なんといっても選挙運動は、言論活動の規制なのだ。
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by soulwarden | 2009-12-28 23:42