2008年 11月 27日
僕はネットの可能性を信じていた。 ニュースの現場にいた場合や当事者の場合、 それを取り上げた報道記事やニュース映像、あいまいさや切り取り不足、主観的感想の差(盛り上がっていたはずなのに、つまらなそう書かれたとか)等が感じられることはよくある。 同じように、自分の専門範囲のことが記事になったとき、記者の勉強不足や認識間違いなど、とてもよく分かることがある。 だから、僕はネットの可能性を信じていた。 それは、一次ソースを集約可能なアーキテクチャであること、さらに、その分野の専門家の意見を取捨選択して聞けることで、新しい報道の形が見えていたから。 もっと端的に言えば「みんなで得意分野を持ち寄れば、そしてそれを批評しあえば今のマスコミよりマシじゃね?」ってこと。 おそらく3年前の「ブログジャーナリズム」ブームってこの可能性のことだったのではないかと思う。湯川さんの本読んでいないけどさ。 まぁ少なくとも僕はそう捉えていた。 ただ、ブログジャーナリズムがついぞ発展することはなかった。少なくとも2008年11月現在なっていない。 何故か。 ・「その分野の専門家」をネット上で探すことが物凄いコストだった。 例えば、僕は地方局勤めだとはブログの横に書いてあるけど、地方局の業務のどこの分野に詳しいのか、初見の方には分からない。どうやら考査とか法務や運行関係に強いんだというのは、半年分くらい読まないと見えてこない。もう半年分くらい読んでいくとどうも法哲学やってたとかも見えてくるかも。 その時々の専門家を何人か探すだけなのに・・・誰が読むかって話である。 だったらネットの力を結集してみんなで探す(CGM)という方法は?これも1つの解と思うし、実際この方法でうまくいく場合も多い。(見つける専門家を見つけることが出来れば。) ただ、「はてな」なんかを見るにつけ、ことホッテントリ等「数に頼った仕組み」は、うまくいっていない・・・というか衆愚化している。マスコミから逃げてブロガーに騙されてるんだから世話がない。別に例は挙げないけど。 じゃあ、アルファブロガー制は? ・・・時代として必要だったのかもしれないが、あれってただの権威付けだ。別にネットじゃなくてもよくね?で、権威付けは盲従させる人間を出現させるという意味で求めるべき方向と反対だし。別に例は挙げないけど。 最後に、 専門家を探すには専門家じゃないと難しい。 昔僕が書いた放送確認書の記事、例え間違っていたとしても訂正できる人間なんて日本に200人くらいしかいない。 要は、自分の手で時間を割きつつ、姿勢等の他の要素で信頼できる人を探していくしか方法はない。 ・ネットが社会の縮図になっておらず「専門家」の数が足りない。書かない。 これはそのまま。解説の必要なし。書きたくても普通守秘義務や内規に阻まれて書かないし、書いたところで続かない。(メリットないし。) それどころか、善意で書いていただけなのに突然炎上→職場電凸とかで、首が絞まったりする。(書き手にも落ち度がある?落ち度のない例も山ほどあるよね。) 僕だって正直ブログを続けていることに関する恐怖感はある。今のネットって歯止め全く聞かないしさ。 匿名でもあるわけだし、僕だって本当にヤバいネタは書けない書かない。法的リスクも(メリットない以上)取れないし。 ・ソースはともかく解析ツールが足りない。 大体、本当に世の中を動かしている情報なんて、EDINET以外はネットに無料で落ちてはいない。 ・・・これだったら、ネット経由でも何でもいいからリアルで分野分野、頼れる人信頼できる人を探して、直接尋ねていく方がよっぽど効率的だってことになる。 仲間内「みんなで得意分野を持ち寄ってそれを批評しあえば」別にマスコミやその代替なくても構わないしさ。 結論。R30(呼び捨て)氏の >今後は知り合いでもない方々に自分の論考をタダでは提供しないことに決めたので、あしからず 方針って、結局は正しかったんだなぁと。名刺代わりというか体験版はネットで。製品版はリアルで。
by soulwarden
| 2008-11-27 01:40
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