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ニセモノの良心

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2007年 12月 18日

パンフレットからムンク接写!

昨日の「ムンク展」のエントリに、「死の苦しみ」のパンフレットからの接写を追加しました。



写真がクソ下手なのは勘弁。そして写真じゃ絶対に伝わらないのも承知。(これだと僕もなんともない。)

興味のある方は、実際に行って174×230センチのカンバスの前に立つべきです。









さて、普通、こういった絵をブログに載せる場合には著作権法があるために著作権者の許可を取る必要がある。この場合にはムンク・・・は死んでいるのでムンクの著作権を受け継いだオスロ市だ。(ムンクは生涯独身で死後寄贈された)


しかしここで疑問が2つ出てくる。
1、僕は日本人、ムンクはノルウェー人だ。
2、僕はノルウェーの著作権法を全く知らない。

つまり、国籍からいってノルウェーの法律に僕は従う必要がない。
また、ノルウェーの法律を守ろうにも、正直よくわからない。著作権の保護期間は国によってマチマチだ。つまり、彼の著作権が生きているのかどうかも分からない。ノルウェー語分からないから、ぐぐりもできない。困った。





わからないはそれで放置して勝手に使っても良い。


・・・という訳にはもちろんいかず、普通の国はベルヌ条約を締結している。もちろん日本もノルウェーも。
そこには「自国民への保護と同程度以上に締結国同士の著作物の保護をしなさい」と規定されている。

つまり、日本の著作権法の規定を守っておけば、ノルウェーの著作権法の保護機関が100年だろうと200年だろうとムンクの著作物は使えると言うことになる。


日本の著作権法上の規定では、絵画に関しての著作権は死後50年と設定されている。
ムンクの死んだのは63年前。安心して使える。




・・・というわけでもいかない。

ここで戦時加算がついてくる。

実は日本はノルウェーに戦争で負けている。
一回も砲火を交えることはなかったけど、敗戦の1月前(1945年7月6日)にきっちり宣戦布告されており、ノルウェーは戦勝国の仲間入りをしている。


そして、敗戦国には「戦争ペナルティ」の一環として
「戦時加算」が課せられている。
「お前等、戦争中に俺達の著作権守ってなかったろ?だから追加ね」と、こういうわけだ。

そんなのお互い様じゃ!といえない敗戦国の情けなさ。

で、日本敗戦の1月前に口だけ対日宣戦布告してる戦勝国ノルウェーは、日本に対して3846日の著作権の延長を手に入れている。(ただし、戦争中に著作権があったもののみ)

3846日と言えば10年半。
つまり、1944年に亡くなっているムンクの著作権は、2005年まであった事になる。あ、一昨年じゃん。



ということで、ムンクの著作権は切れているので、ブログに上げても大丈夫。










・・・というわけにもいかない。


何故なら僕はムンクのパンフレットから写真撮影をしているからだ。
このパンフレットの著作権は?


カメラマンとか編集とか、結構労力かかっているよね。
その労はどうする?果たして本当に写真とってアップしてもいいのだろうか?



写真には著作権は存在することがある。
そりゃそうだ。写真家だって芸術家だ。


さて、著作権が発生する場合とは?

著作権法2条に定義がある。
  一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。


しかし、接写しただけのこのパンフの写真は要件を満たしていない。
よって、写真には著作権が発生しておらず、勝手にパクってもOKとなる。

(ただし、パンフレット自体には解説やレイアウトに著作権はあるので注意ね。)








と、ここまで確認してようやくアップが可能になるんだけど、ここまできてパンフレットの「死の苦しみ」の解説読んだら、なんか昨日僕が書いたエントリに似ている気がしてきて。。。。


見て書いたわけじゃないからね!
見てなくて「臨終の場に参加した」って書いたんだからね!まじで。








 しかし、著作権法って面倒くさいよね。絵を1枚アップするだけでここまで考えなくちゃいけないなんて。
なんか、いい方法があればいいんだけどね。
簡単に使えて、みんながハッピーになれるような方法があれば。

by soulwarden | 2007-12-18 00:27


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