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ニセモノの良心

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2007年 12月 07日

勝手に黙認してる言うな

「Youtubeとかニコニコ動画にあがっている素材を権利者が消さないのは黙認しているからだ!」みたいな事を言う人がいるが、その言説自体が権利者を追い詰めている可能性を考えたことがあるのだろうか。


基本的に映像は権利の集合体だ。
原作・脚本・俳優出演・演出・カメラ・照明・音響・作詞・作曲・音楽実演・・・・
そして、それらの個々の著作権は「お借りしている」状態になっている。(映画の著作物かどうかで範囲は異なるが)


当然それらの「個々の著作権者」に著作権を借りるのには対価を支払っているが、この対価はDVD制作や放送用といった「用途を限定した権利処理」しか行っていない。


それなのに、権利者でもない人が勝手にアップロードし、それがPVを稼ぎ、さらに「黙認している」とか吹聴された日には何が起こるか。


「個々の権利者が怒る」

「黙認しているという話も出ているが、お宅は私の権利をなんと考えているか!何とかしろ!」となる。当たり前だけどね。

となると削除するしかないが、対応が後手後手に回ると、こんなことになる。

「お宅はネットへのアップを黙認しているのだから、正規の料金とは別にネットの自動公衆送信権分も払って下さい。」



ということで、権利者は定期的に巡回しなければならないが、これがまた違法アップロード者って消してもすぐ上げる。消しても消しても消しても、まだあげる。
まさにいたちごっこ。


この削除作業って何年か前まではなかった新しい仕事だけど、こんな金にもならない削除の仕事なんて絶対に増員なんかされないので、事務方とかが泣きそうになりながら巡回して、泣きそうになりながら削除している。(民放で多い日は3万件とか。)


でもそれって確実に他の仕事がおろそかになるということで・・・
この削除作業したりしている人って、著作権窓口とかの人や部署で、本来ならば既存素材のネットの有効利用とか考えなきゃいけないポジションの人が、生産性の全くない削除作業に追われることで、「ネット有効利用の策定」がさらに遅れる(だからって削除をとめるわけにもいかない)という頭の痛くなる話。



民放連がYoutubeに「とりあえず全部消してくれ。とにかく何とかしてくれ」って頼んだ事があるけど、そりゃ頼みたくもなるわって感じだ。


例え広告効果があるならば、権利者が(対価を個々の権利者に払った上で)やればいい話。
他の人間が勝手にアップして勝手に黙認しているとか言われるのは相当な迷惑を引き起こしている。




一人二人(社会的に)刺されたら、多少は違うのかなぁ。何気に嫌なことを言うけど。

by soulwarden | 2007-12-07 02:43


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