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ニセモノの良心

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2006年 09月 06日

広告表示禁止が問題な訳

なんで僕が広告表示を禁止しているブログ広告サービス会社に怒っているか、よく分かってない人が多いので、例を挙げて説明する。



あくまでそんな会社があるという想定にもとづき、特定の会社をさしているわけではないのでご注意を。もしもそんな会社があったらっという設定で。いうなればフィクションです。


出稿企業の設定(断るまでもないけれどフィクションね。繰り返すけどフィクションね)
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僕、健康食品会社「アガッリクッス」(仮)の広報。その名の通り「アガリクス」売ってる。
(アガリクスってキノコの一種。癌に効くという民間療法に使われ、かすかな望みにすがる患者やその家族へ、ばか高い値段で販売している。うちのじいちゃんが癌のとき、もれなくうちでも試した。月7万円だった。)
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健康食品会社「アガッリクッス」の広報たる僕は、口コミ効果を狙い「広告表示を禁止しているブログ広告サービス会社」に出稿するとしよう。
自社のホームページを開設し、にお金を渡し、会員に紹介記事を書いてもらう。
まぁ1000人くらいが書いてくれたとしようか。



ところで、健康食品は当然のとこながら薬事法に縛られる。


(誇大広告等)第66条 
1 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
2 医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
3 (省略)


(特定疾病用の医薬品の広告の制限)第67条
1 政令で定めるがんその他の特殊疾病に使用されることが目的とされている医薬品であつて、医師又は歯科医師の指導のもとに使用されるのでなければ危害を生ずるおそれが特に大きいものについては、政令で、医薬品を指定し、その医薬品に関する広告につき、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告方法を制限する等、当該医薬品の適正な使用の確保のために必要な措置を定めることができる。
2 (省略)


(承認前の医薬品等の広告の禁止)第68条 
 何人も、第14条第1項又は第23条の2第1項に規定する医薬品又は医療機器であつて、まだ第14条第1項若しくは第19条の2第1項の規定による承認又は第23条の2第1項の規定による認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

(中略)

第85条 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
1.第37条第1項の規定に違反した者
2.第47条の規定に違反した者
3.第55条第1項(第60条、第62条、第64条及び第68条の5において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
4.第66条第1項又は第3項の規定に違反した者
5.第68条の規定に違反した者


 はじめて見たという人も多いと思う。要は、健康食品で効果効能を謳ったら逮捕されるってこと。

 もちろん健康食品会社「アガッリクッス」は、素人ではないので、自分のHPで薬事法を犯すようなヘマはしない。何人かアガリクスで捕まっているし。
 ただし、広報の僕は「広告表示を禁止しているブログ広告サービス会社」に出稿するときの条件として、

1、癌という言葉を使ってアガッリクッスへリンク張ること


を入れる。


 さて記事を書いた1000人のうち、薬事法の規定を知っているものは3割もいないだろう。
 そして、残り7割のうち半分くらいが「癌に効く」と言い切っちゃった文面を、自分のエントリの文中に入れてしまうだろう。(じゃないと「癌」なんてノルマ単語を消化できない。)
 つまり350人は、薬事法に違反する。

さて、この場合警察は誰を逮捕するでしょうか?

広告エントリを書いた会員だ。
(まぁ「癌」の言葉をいれるとの条件が悪質と判断されるので、健康食品会社「アガッリクッス」にも捜査の手が及ぶだろうけど。)


 アガリクスの紹介文なんか会員は書かないよっ!て言うかもしれない。
でも、じゃあダイエット食品なら?とたんに心理的障壁が下がるよね。でも、「痩せる」との一言は薬事法上の効果効能だ。(しかもダイエット食品は、ネットでは結構ありがちなスポンサー業態。)
「痩せた」無しに、ダイエット食品の宣伝が出来る?
・・・素人には無理だ。つーかスポンサーからの条件になくても「これ、ほんとに効きます。痩せました!」とか書いちゃいそうだ。


で、前あった中国のダイエット茶で死亡したようなケースが起き、警察が動いたとする。
そしてその時に逮捕というリスクを背負うのは、やっぱりエントリを書いた本人だ。
会員が勝手に「痩せた」と書いたのなら、スポンサーに逮捕の危険性は及ばない。




僕が言っているのはそういうこと。「広告」の一文を入れることで、責任の所在が明確になるのだ。媒体なのか、スポンサー(と代理店)なのか。
「広告」との表示がなければ、媒体に責任が発生する。そしてこの場合の「媒体」とは、「会員のブログ」なのだ。



「広告」の文字を入れた場合、媒体には「使われた」という汚点は残るものの、法令違反には問われない。(悪質なケースでは逮捕や書類送検はある。)
(テレビ局では公共の電波を使っているので、責任がないなんて甘いことがいえない。ので業態審査が厳しい。ただ最近の不景気でこれも怪しくなっているけど。)




だから「広告表示を禁止するブログ広告サービス会社」は広告の責任を果たしていないと言っている。
会員に自分の読者を裏切らせ、広告について全ての責任を負わせる。


これを回避するには代理店側でスポンサーの業態考査を厳密にするしかないけど、これも根本的な解決策にならない。
だって、どんなに業態がしっかりとした優良企業だとしても、書き手の問題として法律違反表示をしてしまうことが大いに考えられる。

 世の中には消費者としては意識することが少ない様々な法律がある。
もちろん商法も適用されるようになるし、薬事法、健康増進法、不正表示防止法、景品表示法、
証券取引法・・・他にも様々な法律が広告表現に規制をかけている。
 法律だけはなく、他人の商標と衝突するようなケースも考えられる。
 それら全ての規制内容を、果たして会員全員が把握しているのだろうか?
・・・そんなの弁護士でもない限り不可能だ。

 つまり、知らず知らずのうちに犯罪を犯してしまう場合が考えられるのだ。


もう1回繰り返す。本文の責任はブログ主にある。
広告の責任は、広告主(と代理店)にある。

だから、弁護士でもない我々にとって、「これは広告です」の表示は重要なのだ。
これを入れることによって、スポンサー(と代理店)の責任、つまり最終的に「OK」を出したものの責任となるからだ。
(もちろんこれは暗示的でも構わない。例えばテレビCMでも「社会通念上、これが広告だとの事実は分かる」よね。だから僕はアフィリエイトは問題にしていない。)




 




 だから、もしも仮にそんなサービスを導入しようとする奴は目を覚ませ。
 小金もらってリスクを背負うな。



 それと、お願い。これはモラルの問題。
「ブログという場所を裏切らないで。」








あと何度でも言う。これはフィクション。現実の企業との混同絶対禁止。禁止ったら禁止。

by soulwarden | 2006-09-06 22:57 | 怒り


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