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ニセモノの良心

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2006年 06月 11日

ハイビジョンって綺麗か?

デジタル化によって最大の利点は、ハイビジョン放送で綺麗になる点だと言われてる。

それでうちの局も色々大変だ。ハイビジョン用にセット変えたリ、スーパー用のフォントを変えたり。お年を召した女性キャスターなんて「私ハイビジョンに耐えられない!」とか悲鳴を上げてたりする。



でも、この前電気屋さんに行った時、店頭の巨大なテレビを前に思った。





ハイビジョンって本当に綺麗なのかな・・・?





その時テレビではナイターをやっていたのだけど、画面から10センチのところまで近づいてよく見てみると、細かいブロック単位でまるでモザイク状に見えるのである。もちろん受像機によってキレイ度はまちまちなんだけど。


 あ、これビットレート足りてないや。。。



 テレビ局の持つ使用可能帯域は19M程度である。そのうちハイビジョンで映像・音声が送れる領域は(確か)14M程度。後はワンセグ用とか制御用とかデータ放送用とかに使われる。



 この帯域ではハイビジョン放送はとても送信できないので圧縮をかける必要がある。
(ハイビジョン用のカメラと回線を使って現場から送られてくる映像、ビットレートが40Mオーバーだったりする。)


で、圧縮は「直前に送った映像からの差分」という形で行われる。(他にも量子化やエントロピー符号化とか要素はあるけど)


 と言う事は、圧縮を行う元映像に得手不得手が発生する。
1フレーム前の映像と余り動きがない場合には、問題ない。

 野球をはじめとしたスポーツ中継のように、激しい動作が多く、かつ場面がころころ切り替わると、ついていけなくなってしまうのだ。その場合、コマ落ちをするのではなく解像度が犠牲になってしまう。そのため、画面にモザイクが掛かったようになるのだ。


 同じことが、例えばマラソンでも起こる。観客の拍手に領域を喰われてしまったり。

スポーツものという、ハイビジョンを普及させるためのキラーコンテンツとされているものに実は向いていないという皮肉。



 まぁ走査線の数がこれまでの2倍超になるのだ。ある程度のノイズは仕方ないし、逆に大きなテレビでないと分からない。
・・・そして、いまさらっと言ったけど、ハイビジョンなんて、大きなテレビでないと意味がない。


 今、テレビ高いよね。全然普及しない。いま10%超えたくらいかな?
 現状のようにデジタルテレビが高級家電と化し、アーリーアダプター層と富裕層にしか普及していないのは、正直テレビ業界にとって悪夢以外の何者でもない。このまま2011年のアナログ停波を総務省はやるといったらやるだろうし、そうなったら、テレビを観れない人が激増してしまう。そして、「テレビ見なくても生きていける」ことに気付いて・・・見捨てられる。。。


早くデジタルテレビの料金値段が下がりますように。ハイビジョン映らなくてもいいからさ、データ放送とEPGだけ見えて14インチくらいのやつ。

僕もそれが欲しい。

by soulwarden | 2006-06-11 02:22 | 疑問


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