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ニセモノの良心

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2005年 10月 25日

だったら見るな!

「だったら見るな」って本がある。
いま、アマゾンで検索したら引っかからないから、もしかしたらタイトル違うのかも流通してないのかも絶版になったかも。

 とにかくそんなタイトルの本がある。書いたのはどっかのキー局の視聴者サービス部の人。キー局の視聴者サービス部同士は、営業や編成と違って競争がないし、被害者意識があるから仲がいいらしく、その中での内輪話をまとめて本にしたっぽい。

 いま、「被害者」と書いたけど、視聴者サービス部の人は、まさにそう感じてるだろう。
キー局だと、日本全国から意味の分からない電話がたくさんかかってくる。
 日記の天気を付けていなかった小学生、きょうの料理コーナーのレシピをメモし損ねた主婦、政治に物言いたいおっさん、祭りの臭いを嗅ぎ付けた頭に数字のつく掲示板のおにいさん、寂しくて話し相手欲しいおばあちゃん。1日千件単位で苦情や問い合わせを入れてくる。

 誤字なんかの明らかな間違いは謝ればすむ。単なる問い合わせの場合も調べればすむ。
話相手がいなくて電話かけてくる人も、すぐにおとなしくなる(場合が多い)。

 問題はまるで酔っ払っているかのような人からの電話だ。絡んで文句言いたいだけ。
 放送を見て何か気に入らないことがあると、延々と電話で苦情(というか言いたいこと)をまくし立てる。
 ちなみに僕の苦情電話記録は2時間半。愛想にも限界がある。まじで大変。多分キー局には4~5時間の苦情も珍しくない。


 テレビ局が悪い場合も、もちろんある。その時には正当な苦情がたくさん舞い込んで来る。
こちらも視聴者サービス部の人は、放送内容には全然タッチしてないのに謝っている。
 まぁこちらはそういうお仕事だと、ある程度は納得は出来る。要は会社の土下座要員だ。

 ちなみに、この苦情はどこのキー局でも苦情内容と件数は社内観覧される。
視聴率以外、意見感想がほとんど入ってこないテレビ局にとって、苦情件数や内容は結構大事に扱われている。だからテレビ局への苦情電話は一定の効果はある。ただし、苦情電話を受ける側もキツい一方だから手加減してね。


 そんな風に視聴者サービス部の皆様は、数々の苦情電話に晒されて、仏様のような人格者になられている。すげーやさしい。
 でも、そのすげーやさしい人でもやっぱり思ってしまう。口には出さなくても思ってしまう。
「だったら見るなよ」
 僕も苦情電話を受ける度に思う。ガシャンと電話を切りながら実際に声にも出す。




「だったら見るな」というのは、確かによく言われる台詞だ。チャンネルを変える権利は視聴者にある。視聴者が自分の選択として「だったら見ない」とするのは、そして人にも「だったら見るなよ」と助言するのは当たり前にある話だ。

 前に小池栄子が降板したら視聴率が5~6%下がった番組があった。視聴者は小池栄子の乳が見れないので「だったら見ない」を選択した訳だ。
 小池栄子の乳のサイズが91センチなので視聴率1%あたり・・・とかいうネタをしようとしたが、すげー怒られそうなのでやめる。





 話が逸れた。

「だったら見るなよ」の台詞は、視聴者側から出てくるにはなんら問題はない台詞だ。
しかしながら、このはきがちな台詞は、テレビ局側の言い訳としては非常に問題がある台詞だ。


だって、テレビ局は免許事業だから。



たまには自戒の念を込め直さないと、忘れそうになる。

マスという媒体で商売している以上、こちらには選択権はないことを。

by soulwarden | 2005-10-25 03:15 | 怒り


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