2005年 10月 10日
テレビとネットの違いってなんだろう? もちろん、一括情報伝達がテレビの方が広いとか、ネットでは多種多様な意見があるとかも大事な要素だけど、一番の違いは「双方向か一方通行か」だと思う。・・・今更偉そうに書くことじゃないけどね。 テレビの場合、フィードバック機能が基本的に存在しない。番組へのお便りと苦情ぐらいのもんだ。公式的な評価数字の「視聴率」は、内容をどう評価されてるかについては分かったもんじゃない。(そこはブログと一緒だね。楽しみに来てくれるお客さんなのか、ヲチ対象にされているのかアクセス解析では判別つかないもん。だからコメントください。お願い。不安になります。) 番組の評判を知る術なんて他には無い。実は。あー、番組モニターがあるか。でもそのくらい。 だから局によっては「想定された苦情が多い番組ほど良い番組」だなんて逆の価値がまかり通ったりする。理由はよく分からないけど。 フィードバックが出来る環境においては、情報を囲わないことが合理的判断になりうる。いわゆるコモンズ的な思想、もしくはオープンソースだ。面白い物を作るのにたくさんの人の手を借りる。その手を借りた人を媒介にさらに情報が広がっていく。胴元のうまみ(利益率)は少ないが、より面白いものがより多くの人の手に渡るのでそこでペイできる(可能性がある)。 逆に情報が制限される状態(ボトルネックを自分が抑えているような状態)は、情報は出来るだけ小出しにしたほうがいい。情報の判断材料までも自分が抑えている状況では、多くの人がソースたる自分の元に勝手に集まってくる。その環境下では自分の力量を超える面白いものが出来る可能性は決してないが、ボトルネックを抑えていることで利益率は高いため、確実にペイできる。また、情報の管制も簡単だ(その管制の内にはいわゆるヤラセや改竄なんかも含まれてくる)。 テレビの持つ「番組への手紙」も「苦情電話」も「モニター」も、管制できる情報だ。手の内で囲っておいて何の問題も無い。 だから、テレビの人間は自分の発した情報がどのように受け止められているのか、いまいち鈍感なところがある。さらに言えば、フィードバックなるものをどのように扱えばいいのか分かっていない。 例えばこの前ちょいと書いた「ブジオ」。双方向性の意味を分かっていない典型的症状だ。 普通に考えて、まずトラックバック企画やろーよ。お題については別エントリを立ててコメントもらおーよ。それとメールでの投稿受付はやめろよ。 もちろん今あげた中で一番の問題は「メール投稿を受け付けている」ことだ。メール投稿は視聴者から見えない情報だということにスタッフが気付いていないって事だから。 ブログとラジオを融合させるという番組の謳い文句、つまり双方向ってことの意味をスタッフが分かっていないってのはそういうこと。情報の管理思想から変わるはずなんだから。 「ブジオ」の悪口が別に言いたいわけではない。みんな同じ。ほとんどのマスコミは、現在持つフィードバックを改良の手段には使いこなせていない。 朝日新聞なんて投稿コーナーの「声」欄を自分の言いたい事を代わりに書くコーナーとして使ってる。あほか。(リンク先、「戻る」から他の電波も読めるよ。ゆんゆん。) 最近、テレビブログなんてのも出来たみたい。普通に誰も使っていないのが微笑ましい。 もちろんリンク先のテレビブログの知名度が全然ないっていうのが大きいんだけど、テレビというメディアからの情報に対して能動的に視聴者が動くことがないんじゃないかとも思ってしまう。 今までテレビに対してそういう接し方しか経験してないからね。 そんな状況で、ネット配信とか完全に双方向な新事業始めても大丈夫なのかと、ちょっと思うわけですよ。 本当にニーズに合ったものを提供できるのか。ちなみにフジのコンテンツ一覧はかなり微妙だ。あ、これ見たいと何一つ思わん。ましてやリクエストしようとも思わない。 情報産業側が、情報をどう捉えるか、改めて意識すべきではないのかなと思う。 せめてフジは、「買わないけど見たい番組のリクエストは簡単に出来る」状況は構築すべきだ。 on demandの単語が泣いてるぞ。 このエントリ書くときにgoogle先生に教えてもらったんだけど、朝日新聞てば「一時、自衛隊員の戦死を祈念する挿絵」を声欄に使ってたそうな。普通に許せない。 なんか、朝日新聞を貶す事が流行みたいなんで最後に乗ってみた。
by soulwarden
| 2005-10-10 03:46
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