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ニセモノの良心

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2005年 08月 27日

ネットタイムが売れない

 ネットタイムCMが売れない。マジで売れてない。


 昔書いたけど、CMの販売方法はタイムとスポットがある。
タイムは「この番組は、キューピーの提供でお送りします」みたいな提供表示が出るスポンサーで30秒単位で半年間、1番組につくのが基本。ゴールデンタイムの全国一斉放送につくネットタイムと、地元で販売されるローカルタイムがある。
番組のイメージを会社イメージに反映できるのが利点とされ、ブランディングに効果的とされる。
また、視聴層と購買層が合致する枠を長期間確保できる。(思いっきりテレビで、にんにく卵黄とかのCMが流せるという形ね)

一方スポットは、「新商品にあわせて2週間ほど、このCMを流す」という短期契約の形である。
(スポットの販売方法に興味のある人は昔書いたこのエントリを参照してください。視聴率が大事だって話が書いてあります)


で、話を戻すと、10月期からのネットタイムが売れない。
 詳しい残り本数とか書いたらマズいだろうけど、聞いたら「それってかなりマズくない?」
ってまじめな顔されるぐらい売れていない。
 系列キー局だけじゃなくて、他のキー局でもそう。

 理由は大手スポンサーの広告費見直し。
映画「グッバイ★レーニン!」で、資本主義の象徴として書かれてたコーラ会社、予算半減。
世界の17兆円企業のクルマ屋さん、予算見直し。
ノーボーダーのインスタントラーメン屋さん、予算見直し。
鳥井さんのつくったお酒の会社、予算見直し。
・・・・もうボロボロ。


 現状4月期も、実はネットタイムは売れていない。

 どうにもこうにも売れないときに、最後に泣きつく会社というのが実はある。
 お茶漬け会社とか。
 で、その会社のCM買ってくれる値段ってのが、すげー安い。どのくらい安いかって「それって、僕でも無理すれば出せるお金じゃん!」って思わせるくらい。でも、最近そういう安い会社のネットタイムCMをよく見るのよ。
 あと、新規スポンサーが増えたね。考査上これ大丈夫か知らんみたいな会社。


 ネットタイムが売れないのは、売っているキー局でなくて、地方局の方への影響がでかい。
 ネットタイムはCMキー局が「お宅の電波をお借りして、営業させてもらいます」というのが建前だもんだから、番組を受けた地方局に売ってきたお金を分配する。その分配金が減ってしまうのだ。事実今年度もらえた分配金の額が下がりまくってて、役員が青ざめている。
 一方キー局は、おいしいエリアを抱えているので、ネットCMが売れなくても、スポットでいくらでもカバーがきく。過去のコンテンツもたくさん持っているので、フジや日テレのようにネット配信とかの副業も可能である。




さて、そのネットタイムが売れないって事は、それだけの広告費はどこにいった?
A、広告費に使わない。
B、スポット展開用に使う。
C、オンライン広告等、媒体を変更する。




Aは、予算執行中の年度半ばということもあるし、広告費が税法上損金となるということもあって、少々考えづらい。

じゃあ、BかCか?

Bのスポット展開用に使うであれば、地方局には出稿されないであろう。全国一律で出稿されるのであれば、ネットタイムの方が割安だからである。困った。

じゃあC。・・・これこそ、テレビ局全体が困ったって話だ。



・・・ホント、お金はどこに行くんだろう?気になって仕方ないが、地方局からでは分かる術もないや。




 さて、これまでのビジネスモデルが崩壊しつつあるという、世にも面白い現場に立ち会えているわけですが、これは面白がってばかりもいられないね。潰れちゃうよね。
 地方テレビ局。これからどうやって食っていくべさ。



っていうか、もっと頑張れ!東京キー局のネットタイム営業部!
もっと頑張って、僕達を食わせてくれ!

by soulwarden | 2005-08-27 15:17 | 疑問


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